Journal

CATEGORY:

2022.5.10

「心地よい」は、誰でも共通の感情だから。

HOKOSwarmer&goods主宰 野中麻実子さん

フォトグラファーとして活躍しながら、2020年から「体をあたためるものと生活が楽しくなるようなグッズ」をコンセプトにしたライフスタイルブランド「HOKOSwarmer&goods(ホーコスウォーマーアンドグッズ)」(以下、HOKOS)を主宰する野中麻実子さん。ワードローブに馴染むシンプルなデザインと着心地の良さで、人気モデルやスタイリストに愛用者の多い、注目のブランドです。TREESの活動にも関わってくださっている野中さんの、ものづくりへの思いを伺いました。

・・・・・

「冷えとり、あたため」に、手軽さと少しの新しさを

ライフスタイル誌やファッション誌、広告などでフォトグラファーとして活躍する中で、10年ほど前に冷えとりと出会ったという野中さん。

「元々すごく冷え性で、初めは冷えとり靴下を何セットも買って重ね履きしていました。でも、洗濯が大変だったり、履く靴も大きいサイズを買ったりと大変で、挫折してしまって。苦し紛れにレッグウォーマーを付けた時に、体の冷えが改善したり、体調を崩しにくくなったことから『私は足首をあたためるだけで大丈夫かも!』と感じて、足首にフォーカスしたんです。

そのうちに『足首をあたためる道具って、相手の体を気遣えてギフトとしてもいいのでは?』と思うようになったのですが、当時はパッケージ化されてさらっと渡せるようなアイテムが少ないように感じて。それで、自分がいいなと思うデザインのブランドを作ろうと思ってHOKOSを始めました」。

ライフスタイルに寄り添う「おもしろみ」のあるブランド

「自分が欲しいと思えるものを少量ずつ、丁寧に」というモットーでものづくりをするHOKOS。一番人気のアイテムは、足首(アンクル)をあたためる「アンクルウォーマー」です。口コミや雑誌、SNSを中心にその着心地の良さが知られるようになり、たくさんのリピーターや、ギフトでアンクルウオーマーをもらった人が、また別の人のギフトにという風にして、HOKOSユーザーが増えていきました。

「アンクルウォーマーは、夏にもおすすめです。冷房がついた部屋の中、薄着をしてアンクルウォーマーをつけることで体の上半身と下半身のバランスが保たれるような感覚があって、気持ちいいですよ」と野中さん。

HOKOSでは、衣類のほかにも、グッズも製造しています。「ブランドのロゴにもくるぶしから足のイラストをあしらっていることもあるし、『足のキャンドル』ってかわいいんじゃないかな、と(笑)。大好きで尊敬するブランド『アスティエ・ド・ヴィラット』のオマージュでもあります。こんな風に、衣類だけでなくちょっとおもしろみのあるアイテムを作って、ブランドへの“入り口”が沢山あるといいなと思っています」。

仕事を始めるなかで戦ったのは、自分の中の「思い込み」

2人のお子さんを持つ野中さん。フォトグラファーとして仕事をしながらブランドを立ち上げるのは大変そうに思われますが、「私は自己肯定感も低いタイプだし、HOKOSを立ち上げる時も、すごく葛藤していました」と話します。

「元々、自分の理想の人物像が職人さんや何かコツコツと一つの道を模索している人が粋でかっこいいという思いがあったので、その自分の理想から外れることにすごく葛藤していました。それに、複数の仕事を持つことで、周囲にどう思われるだろう?と人の目を気にしてしまっていたり。でも、HOKOSを作っていくビジョンがどんどん浮かんできて、『人生は一度きりだし、やりたいことがあるならやったらいいじゃないか』とシンプルな思いに行きつきました。周囲の人が応援してくれたり、オンラインで購入した方がその後、何回もリピートしてくださったり、購入時の備考欄に温かい言葉を書いて送ってくださるのは、もう、涙が出るほど嬉しいですね」。

仕事も、生活も。あらゆるものの「バランス」を保つこと

「私は、仕事の中に『遊び』を見出すのが好きなのかもしれないですね」と野中さんは笑います。TREESのディレクターとして、ディレクションなどに広く関わることについても、「カメラマンは仕事の依頼が来てから動くので、受け身でいるようなことも多いのですが、そんな中でも、撮影が終わった後のランチで好きな人たちと話しながらご飯を食べるのが大好きなひとときで。そういった風に、好きな時間や楽しいと感じる部分をそれぞれの仕事に見出しているのかもしれないですね。TREESの仕事やHOKOSは、もっと能動的に自分で仕事を作っていく感じです。私にはそんな能動的と受動的、のバランスを取るのが好きなのかもしれません」と語ってくれました。

「HOKOSは『こういうものがあったらいいのに』の問題解決の側面を持ちながら、これからも体の『あたたかい』『心地よい』という感覚のバランスを取ってくれるアイテムを作っていけたら、と思っています。『あたたかい』『心地よい』という体感は、老若男女誰でも共通だから。そんな気持ちを贈れるようなブランドでありたいですね」。

HOKOSwarmer&goods

www.hokos.jp

IG:@hokos_japan

 

Archives